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Going My Way

関西くるま文化創造者たち


現在では、誰もが気軽にクルマの売買ができるようになり、我が国のクルマ産業の一翼を担うまでに成長した中古車市場。しかしその市場を開拓し、安定したものとするためには、中古車ディーラーたちの人知れぬチャレンジがあった。このコーナーは、関西を代表する中古車ディーラー、その創業者たちの素顔に迫る。
2003−4

たちにとってお客様は太陽。私たちはいつも太陽の方、お客様の方を向いていたいから『ひまわり』なんです

「ひまわりコーポレーション」の創業は1975年。当時はスタンダード・モーターズと名乗っていたとか。今から約30年前といえば、中古車が現在のように人々に認知されていなかった時代である。当時の中古車販売には、現在のような査定規準や保証制度もなく、中古車を求めるユーザーは品質の不透明なクルマを購入するしか手立てがなかった。
 「中古車販売店の、スタンダード(規準)を築きたいと思ったんです。それでスタンダード・モーターズという社名でスタートしました」「ひまわりコーポレーション」の社長豊田氏は当時を振返りながら語った。「創業当時、店の展示場にはたった3台のクルマしかなかったんです(笑)。店には看板も電気も、水道さえなかった。その頃すでに大手の中古車販売店がいくつかありましたが、気持ちだけはまったく気後れしていなかったですね。自分がこの業界のスタンダードをきずいていくんだという気持ちでいっぱいでした」

 創業当時25歳だった青年が抱いた中古車販売店のスタンダード(規準)を築くという志は、30年の月日を経て現在の「ひまわり」にすべて結実している。たとえば、品質規準でいえば「ひまわり」で展示販売されているすべてのクルマには、査定のプロが厳しくクルマをチェックした公正な評価シートが各車に表示されている。この評価シートには、事故などの修復歴の有無はもちろん、一見すると見落としてしまいそうな小さなキズまで表示され、ユーザーからすれば「何でここまで表示するのか」と疑問に思ってしまうほど品質を明かにしている。保証にいたっては電球一個からエンジン、ミッションまで保証。それだけではない、走行メーターに不正があった場合、また、修復歴に間違いがあった場合は返品、返金の保証までされる。

 「お客様の信頼を得るためには、正直であることが1番なんです。それが今日まで中古車ビジネスを続けてきて得た真実です。「ひまわり」は1000年続く企業であってほしいと本気で思っています。ビジネスとして永続してゆくためには、嘘やゴマカシがあっては不可能なんです」正直であること。豊田氏が掲げるそのポリシーは、スタッフの接客はもちろん、自社のホームページにもきっちりと反映されている。「ひまわり」を訪れたり、クルマを購入したユーザーの声がそのままホームページに掲載され、感謝の声だけでなく、接客やサービスに対する不満などもそのまま掲載されているのだ。常識で考えれば自社にとって不利益になりかねないユーザーの不満の声も、「ひまわり」にとっては貴重な財産であるととらえ、包み隠さず公開しているのだという。自社にとって都合のいいことだけを公表するのではなく、不満も含めてお客さんの感じたことをすべて公表する、その方がお客さんも安心できるのではないかと。

 "顧客第一主義"という言葉は昔からよく言われてきたことだか、ユーザー(顧客)の側から考えればサービスはまだまだ無限にあると豊田氏は考えている。たとえば、「ひまわり」では営業マン抜きに、展示場をゆっくり見たいお客さんのために「今日は見るだけシール」を考案。展示場内にある自動発券機で発券されるこのシールを貼っていれば、営業マンはお客さんに近づかないという。ユーザーは誰の目も気にせずに、自分のペースで心ゆくまでじっくりと気に入るクルマ、納得できるクルマを探すことができるというわけだ。また、展示場を回っている間に喉が乾くお客さんもいるだろう。だから店内に設置された自動販売機のジュース、コーヒーはすべて無料で提供。ある日、子供は炭酸飲料が飲めないというママの声が聞こえれば、その翌日には炭酸以外の飲料も加えた。

 どこまでもお客さんの立場から発想する。その発想には「ここまでやればいい」はない。次はどんなサービスをユーザーに提供できるか。それを考えている豊田氏の瞳は、まるで25歳の青年のように眩しかった。